「パルワールドのサーバーを無料で建てられないか」という相談はよくあります。結論から言うと、ソフトウェア代という意味では無料で建てられます。専用サーバーのプログラム自体はSteamから無償で入手でき、利用料もかかりません。
ただし「無料」という言葉が指しているのはそこだけです。実際に運用してみると、費用は消えるのではなくお金の形から、自分のPCと手間の形に置き換わっているだけだと分かります。この記事では、無料で建てる方法と、その代わりに何を負担することになるのかを整理します。
無料で建てる方法
自分のPCに専用サーバーのプログラムを入れて動かす方法です。Steamのライブラリから専用サーバーのアプリを入手します。公式ドキュメントによると、専用サーバーのSteam App IDは 2394010 です。
この方法なら、月額料金は発生しません。設定ファイルを直接編集できるため、細かい調整もすべて自分で行えます。
そのかわりに負担するもの
無料で建てる場合、次の4つを自分で引き受けることになります。
PCを起動し続ける必要がある
サーバーは、動かしているPCの電源が入っているあいだしか稼働しません。自分がPCを落とすと、友達は誰も入れなくなります。相手と生活リズムが違う場合や、自分が寝ているあいだに遊びたいと言われた場合、そのつどPCをつけておく必要があります。
結果として電気代がかかりますし、ゲームをしていない時間もPCが動き続けることになります。
要求される性能が想像より高い
ここが最も見落とされやすい点です。公式ドキュメントが案内している専用サーバーの必要環境は次のとおりです。
| 項目 | 公式の記載 |
|---|---|
| CPU | 4コア以上を推奨 |
| メモリ | 8GBでも起動はするが、メモリ不足でクラッシュする可能性がある。32GBより大きい容量を推奨 |
| ストレージ | 高速なSSDを推奨。低速なストレージではセーブデータが破損する可能性がある |
| OS | Windows 64bit / Linux 64bit |
推奨メモリが32GBより大きい容量とされている点に注目してください。余っている古いPCを引っ張り出してサーバーにする、という発想で足りる水準ではありません。さらに、サーバーを動かしているPCで自分もゲームをプレイする場合、その両方のぶんのメモリが必要になります。
ストレージについても、低速だとセーブデータが壊れる可能性があると公式に明記されています。ここを軽視すると、無料で始めたはずが遊んできたデータを失うことになりかねません。
ネットワークの設定が必要
外部から接続してもらうには、ルーターで通信を通す設定(ポート開放)が必要です。公式ドキュメントによると、接続に使うのはUDPの 8211 番が既定値です。
この作業を避けたい場合、仮想的にLANを構成するツールを使って、ポート開放なしで接続する方法も知られています。ただしこの方式でも、サーバーの処理を担うのは自分のPCであることに変わりはないため、性能面の負担は同じです。
コンソールの友達は参加できない場合がある
公式ドキュメントでは、Xbox版やPS5版から参加する場合はコミュニティサーバーとしてデプロイすることが必須とされています。自宅PCで建てたサーバーにコンソール版の友達を招きたい場合は、この設定まで行う必要があります。詳しくはクロスプレイのやり方を確認してください。
結局どちらが安いのか
純粋な金額だけを見れば、自宅PCで建てるほうが安く済みます。ただし比較するときは、次の条件を揃えて考える必要があります。
- PCを24時間動かした場合の電気代
- 推奨環境を満たすPCを持っているかどうか。持っていない場合、そのPCを用意する費用
- 自分がPCを使えない時間帯に、友達が遊べなくてもよいかどうか
- ポート開放やファイルの編集を自分でやる手間
すでに高性能なPCを持っていて、常時起動しても構わないという環境であれば、無料で建てる選択は合理的です。逆に「今あるPCで軽く済ませたい」という動機であれば、必要環境の壁にぶつかる可能性が高くなります。
レンタルサーバーの料金は、短期プランなら数日単位で試せるものもあります。金額の目安はサーバーおすすめ3社比較にまとめています。
先に決めておいたほうがよいこと
もう一点、費用とは別に重要な判断があります。あとからサーバーを移すのは簡単ではないという点です。
「まずは無料で試して、続きそうならレンタルサーバーに移そう」と考える人は多いのですが、ワールドのデータを別の環境へ移す作業は、現在かなり難易度が上がっています。詳しくはセーブ移行でパルが消える理由で解説しています。長く遊ぶ見込みがあるなら、最初の選択の時点で決めておくほうが安全です。
まとめ
専用サーバーのプログラム自体は無料で入手でき、自分のPCで動かせば月額料金はかかりません。ただし公式が案内する必要環境は、メモリが32GBより大きい容量を推奨、ストレージは低速だとセーブデータ破損の可能性があるという水準です。無料で建てるとは、その負担を自分のハードウェアで引き受けるということだと理解したうえで選んでください。
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